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本質11<終>

2013/08/18 23:16
そうして4時間以上続いた宴は終わった

Tは遅くなった理由をあれこれ考えている
Uはこのままここに泊まり
明日の朝帰る私を駅まで送ってくれるという

Tが冗談めかして、Uが襲うかもよと言いながら
帰っていった

さすがに疲れていたけど
気分は悪くなかった

Uとあれこれ話をする
話してみると感覚は近い気がした

セックスが好きなのかと聞かれて
そうだと答える
貞操という感覚が鈍いことも

Uは本当に私のことを気に入ったようだった

悪い気はしない

こっちのベッドへ入ってもいいかと聞かれ
いいよと答える

そうして結局はもう一度セックスをするはめになった

したければすればいい

そう思うということは
これだけの異常な行為をしても
私自身は何も変わっていないように思った

どこか冷めている
自分を大事にできない

そんなことは簡単には変わらない

でも自分の中にある異常な嗜好を
確認することはできたし
今まで抱いていたトラウマ的な感覚は
昇華された

それだけでも今回のことは
自分の中の本質を垣間見ることができて
よかったことだったと思えた

誰にも理解されることはないだろうと思う
でも自分が自分の中で抱えているものを
自分のこととして見ることができない私には
他人の力がどうしても必要だったのだ

本質10

2013/08/18 23:05
敷かれたシートは役に立たなくなるくらいびしょびしょになってた
Tがそれを取り替える

取り替えてもなお溢れ続ける
それくらい感じていた

疲れた?とTが聞いてくる
まだ大丈夫と答える

飲みかけのカクテルを一気に飲むけど
全然酔わないままだった

3人目の男はかなり遅くにやってきた
Tがこいつはでかいんだぜと繰り返し言う

だから何?
大きくても下手だったらなんの意味もないのに

案の定、笑ってしまうくらいにその男は早漏だった
初めて会う女でも、そんなにすぐに逝ってしまうもんなんだなと

そうしてすぐにその男は帰っていった

この男にとってのセックスとは何なのだろう

私にとっては?

これは複数と言えど、望む展開ではなかった
まるでハプニングバーにいるみたいだ

自分が娼婦のように思える

でもそれはそれでよかった
道具のように扱われたいというのも
願望の一つであったから

男たちはみな私の中が相当気持ちいいと言う

括約筋を鍛えてるような状態の私には
挿入された男を締め上げることなど
簡単なことなのだ

そうして最後にTが私に覆いかぶさってきた

Tとは前日のこともあるから、少し感覚は違う

最後の最後に抱くことで
自分が一番いいと思われたい
そう言っていた

使われ続けていた私の膣は
少しの刺激でも大きな快感を生み出した

それにさらに電マを使う

声が止まらない
体内から溢れるものも止まらない

横でUが私の手を握る
「見られるのが好きなの?」

そう、なのかもしれない

喘ぎの合間にそうなの、と答えた
Uが手を強く握った

なんだろうこの感覚

認められてる
そう感じた

異常な自分を見ても
褒めてくれる

自分が押し隠してきたもの
ずっと出せなかったもの
長い間長い間
幼い時からずっと

あの土の上に寝かされて
囲まれていたずらされたときから
植え付けられた感覚が蘇り

それでもいいんだ、と
私は汚いわけじゃないんだ

かさぶたのように覆っていたものが
取り払われた気がした

その感覚を味わいながら
何度も何度も逝き続けた
声を枯らして叫び続けた

これでよかったんだ
そう思った

本質9

2013/08/05 00:15
二人目の男はTと随分馴染みのようだった
TはUちゃんと呼んでいる

とにかく褒める
私のことを
顔も好みだと言う

そんなに言われることには
免疫がないから
逆に素直に受け止められなかった

キスはまるで恋人にするそれのようで
私もさっきよりは受け入れられるようになった

Tが電マを取り出し、Uが愛撫する横からクリトリスに当てた

実は自分でも電マは持ってる
自慰のときに使ったりする

でも自分のペースじゃない使われ方は
やっぱり強烈だ

だんだんと声が大きくなる

ラブホじゃないのに、と一瞬頭をよぎったけど
そんなことはすぐに考えられなくなった

Uが挿入してくる
さっきよりは全然濡れている
そしてそれはとても硬いと感じた

溢れそうになって、それを伝えたら
Tがシートを引いてくれた

安心して力を抜くと
とめどなく溢れ出した

それを見て男たちも声を上げる

快感に覆い尽くされて余裕はない
何も考えられない

こういう瞬間が欲しかった

ずっとずっと昔から
こうなりたかった

それは一人では到底叶えられないこと

長く自分の身体を自分で慰めてきたからか
軽い刺激では物足りない
深くいけないと不満足なのだ

男はたいてい自分が優先だ
フェラをさせて私が感じてないうちに挿入して
自分だけいく

そんなのは嫌で仕方なかった

複数なら誰かが挿入して
誰かが愛撫する
快感に隙間がないんじゃないか

そう思ったから
ずっとしたくてしたくてたまらなかったのだ

本質8

2013/08/01 01:46
誰かが持ってきたお酒を貰い、早めのピッチで流し込む

ゲストたちは首謀者Tと談笑している
テレビをみたり、差し入れをつまんだり
誰と話すでもなくそれをベッドの上から眺めていた


頭はシラフのまま唐突に事は始まった


一番最初に来た男が私に触れる

「綺麗な肌をしてる」
と褒めてくれた

下着に黒を選んだのは正解だったかも

Tが彼に奉仕するように促す
初対面の男のものを咥えるって
やっぱり嬉しいものじゃない

それでも言われるがままに
そんなに下手じゃないはずだ

他の人はテレビを見ながらも
ちらりとこちらを見ているような気がする



最初の男はとにかく褒めてくれるから
それはそれでよかった

こっそり私に耳打ちする

「集中できないから、早く終わるよ」

やっぱりそれはそうなんだろうなあと
妙に納得をした


最初の男は別にテクニックに長けているわけでもなく
ありきたりの愛撫とキスと挿入それだけだった


頭はいたって冷静なまま


異様なはずのこの状況に
私はまだ余裕をもって全体を俯瞰していた

本質7

2013/07/21 02:42
過去に来たことのあるホテル
部屋に入るのは初めてだった

ドアを開けると驚くくらい広い部屋だった

ベッドは2つだけど、5~6人はゆったり座れるくらいの長いソファがあり
バスルームはバスタブとシャワーブースに分かれていて海が見える窓があった

シャワーを浴びるように言われて、バスタブにお湯を張り念入りに身体を洗った

何がどうなる?
何も予想もできない

ただ自分なりの用意として
黒のガーターストッキングと黒のサテンのスリップを持ってきていた

綺麗にした身体にそれらを纏う

そうしているうちに部屋のブザーが鳴った

一瞬にして緊張する
彼がドアを開ける

ゲストがやってきたのだ
私を犯す男が

なんと言ったものか困惑しながら
「こんにちは」と言う

50過ぎくらいの小太りな感じの人が
「こんにちは」と返す

その人は私を通り過ぎ彼に挨拶をした

なんだか滑稽だ
とても普通の挨拶

これからの異常なことは
彼らにとっては普通のことなんだろうか

その人にもシャワーを使うように指示する彼

しばらくしてまた部屋のブザーが鳴る

今度は私よりも少し若そうな人
仕事帰りなのかスーツを着ている

先に来た人と知り合いのようだった
久しぶりとか言い合っている


初めてじゃない
そういう会を何度も開いてるんだ


みんな異常なんだ

そう思った