化身 ～真の愛の姿～

おそらく

自分の持つ罪悪感というのは
一般的な感覚とは異なっている

「悪い」と頭ではわかっていても
それをまるっきり忘れてしまうことができる

幼稚園の頃には
母の財布からお金をとるということをしていた

何故そんなことをし始めたのか
よくわからない
盗む、という感覚すらない時期

はっきり嘘をついたのもこの頃だ

何がそうさせたのだろうか

嘘はたくさんついてきた
自分の欲望を叶えるため
保身のため

元夫にも嘘はついた
（夫も嘘をついていたが）

彼との出会いも嘘の上に成り立っていた

それについて
頭では「悪いこと」とは思っている

それなのに平気でやる

嘘は嫌いだ
嘘は絶対つかない

そんな人が近くにいれば
まぶしすぎて目を覆ってしまう

彼の知らない私

知らせていない私


今になって
なんと恐ろしいことかと思う

してるときには
自分のことしか考えていなかったのに


なんてことをしてしまったのか
今になって思っても
もう遅い


でも
人並みの罪悪感が
今なって出来てきたのは

自分の中で
今になってやっと
彼を本当に愛して信じたいと思って
そして失いたくないと思っているからなんだろう

今まではそんなことは思わなかったから
悪いとも思えなかったのだ