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2012/07/04 01:31
４時間の逢瀬から２週間後
それよりも1ヶ月前からずっと楽しみにしていた日がやってきた
初めての夜を過ごす日
しかも夢の温泉旅館、離れの部屋で露天風呂付き
出張の日にちを１日ごまかしてくれるというその申し出を
二つ返事で受けた
台風が立て続けにやってきて、天候でやきもきしたけど
台風を避ける名目で飛行機の時間を早くしてくれて
結果最初の予定よりかなり早く逢えることになった
ところが、不測の事態は起こるもので
夫が仕事を遅刻して病院に行きたいと言い出すものだから
ものすごくあわててしまって
不審なことをいくつも言ってしまった
それで気が動転したまま、いろんなことがうまくいかなくて
あやうく待ち合わせの街へ行く特急にも
乗り遅れそうになるところだった
２時間電車に揺られ、彼の街より２つ手前の駅で降りる
車が見えなくて歩きだしたら、予想と反対方向から彼の車はやってきた
出張帰りの彼は初めて見るスーツ姿
濃いグレイに細いストライプのスーツ
滅多にお目にかかれないから、しっかりと記憶に焼き付けておく
駅からそう遠くない旅館に着くまで
何度も道に迷った
彼の方が詳しいはずなのにと笑っていたら
早く落ち着きたくて、気が焦ったと言った
なんだか少年みたいだよなあと思って
にやにやしてしまった
やっと目的の旅館に着く
周りを田んぼに囲まれた中にその旅館はあった
金額と遅くてもチェックインできて、離れでという条件だけで選んだけど
あまりに立派で驚いてしまった
チェックインをして、部屋に案内される
ひととおり説明を聞いて、旅館の人が去って
二人だけの閉ざされた時間が始まった
