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濡れる

2009/10/18 01:07
弦影を愛するがゆえの苦しみ

それを自分の中で説明をつけようとして
ずっとずっと考えていた

思考を巡らせても巡らせても
独りではたどり着く答えはなかった

複雑な感情に耐え切れず
涙が溢れる

そんな気分のまま
彼からの電話を受ける

たわいもない話をして
それから
お互いの思いを語り合う

状況は変わらない
同じことの繰り返し

そしてまた涙が溢れる

でも
それまでの床に吸い込まれる涙とは違って
その涙を飲み干してくれる存在が
電話の向こうにいる

涙がひとつこぼれるたびに
その涙は弦影の中に取り込まれ
声に変えた思いとなって
私の耳から入り込み
私を満たす

自ら選ぶことを
お互いに決めて
電話を切る

身体と心を彼でいっぱいにして
それにひたっていたとき
ふと気づく

身体の芯が濡れていたことに
それとわかるしみができるほどに

私の身体は
深い感情のやり取りを
愛撫と受け止めるほどに
変化していたのだ

彼だから
濡れる

その後
いてもたってもいられず
自らを慰める
彼の名を呼びながら
何度も逝く

自慰とは思えぬほどに
深い快楽がそこにはあった